労働者派遣事業の立ち上げ、最初の一歩から最後の許可取得まで、私たちが伴走します!

労働者派遣事業とは?

  • 派遣元(会社)が雇った労働者を、派遣先(別の会社)で働かせる形態。
  • 労働者は「派遣元」と雇用契約を結び、「派遣先」から仕事の指示を受ける。

類似との違い:

  • 「請負」は、業務の完成を目的に契約する形で、労働者の指揮命令は請負会社が行う。
  • 派遣は、実際に働く現場で「派遣先」が指示を出すため、構造が異なる。

派遣の種類:

  • 登録型:仕事があるときだけ雇用(多くは有期雇用)
  • 常用型:あらかじめ派遣会社と無期の雇用契約を結び、常に雇用されている

労働者派遣事業許可基準の詳細(3つの要件)

1. 人的要件(適正な人材がいるか)

派遣事業には「派遣元責任者」が必要で、その人物に対して以下の条件があります:

派遣元責任者の設置:
  • 事業所ごとに1人以上の専任者を置く
  • 責任者は、厚生労働省が指定する「派遣元責任者講習」を受けていること(※過去5年以内)
欠格事由がないこと(以下のどれかに該当すると不可):
  • 禁錮以上の刑を受けて5年以内
  • 労働関係法令に違反して処分を受けた者(3年以内)
  • 暴力団関係者や、暴力団と密接な関係がある者

2.物的要件(事業所の環境が適正か)

派遣事業を行うオフィスや設備にも条件があります。

事業所の要件:
  • 独立したスペース:壁やパーテーションで区切られており、事務機能が外部から明確に区分されていること
  • プライバシー配慮:個人情報管理のために、適切な保管庫・パソコンの管理体制(パスワードや施錠)があること
  • 常駐スタッフ:申請者本人または従業員が常駐していること(名義貸しやバーチャルオフィスはNG)

3.財産的要件(経営の安定性)

資金力が不十分だと、派遣労働者の賃金支払などにリスクがあるため、以下の財務基準が求められます:

  • 基準資産額:自己資本(=資産-負債)2,000万円以上
  • 現金・預金額:1,500万円以上
  • 負債超過でないこと:資産より負債が多い状態はNG

※「基準資産」は、流動資産から流動負債を差し引いた額で判断される場合もあります。審査では直近の決算書や税務申告書などで確認されます。


補足: これら3つの要件を一つでも満たさない場合、許可は下りません。特に「財産的要件」は法人登記後すぐの会社や、赤字企業ではハードルが高いため、資本金の増資や金融機関からの証明を添付するケースもあります。

労働者派遣事業【申請から許可取得までの流れ】

Step 1:事前準備・要件チェック

1.会社の設立
  • 法人(株式会社・合同会社など)である必要があります。
  • 定款の目的に「労働者派遣事業」などの記載があるか要確認。
2.3つの許可基準の自己チェック
  • 人的要件:派遣元責任者が講習を受けているか?
  • 物的要件:オフィスの独立性や広さは足りているか?
  • 財産的要件:自己資本2,000万円以上、現金預金1,500万円以上あるか?

Step 2:必要書類の収集と作成

主に準備するもの:

以下は厚生労働省の申請要領に沿った代表的な書類です。

書類名内容の概要
労働者派遣事業許可申請書基本情報(会社名・代表者・所在地・資本金など)を記入するメインの申請書
誓約書欠格事由がないことを申立てる書類(押印必要)
派遣元責任者講習修了証の写し責任者が受講済みであることを証明
履歴事項全部証明書(登記簿謄本)法人の登記内容を示す(3ヶ月以内のもの)
定款の写し事業目的欄に「労働者派遣事業」の記載があるかを確認される
財務諸表(直近)貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費明細書など
現金・預金証明書銀行からの残高証明(通常は1,500万円以上)
事業所の賃貸契約書の写し物件の名義、面積、用途などを確認される
事業所の平面図・レイアウト図プライバシー保護の環境や専用スペースを示すための資料
個人情報管理体制に関する書類取扱規程・管理マニュアルなど(独自作成可)
雇用管理責任者の配置体制労働者の指導・フォロー体制を示すもの
事業計画書(任意)今後の業務展開など(提出すると印象が良くなる)

※ 上記はあくまで代表例。実際には申請先(都道府県労働局)ごとに微調整が必要な場合があります。


Step 3:労働局へ申請

提出方法:
  • 電子申請(e-Gov):現在主流、便利です。
  • 郵送または窓口持参:労働局(職業安定部)宛て
提出時の注意点:
  • 申請手数料:12万円分の収入印紙が必要(申請書に貼付)
  • 提出部数や署名押印の確認

Step 4:労働局による審査(1〜2ヶ月)

内容:
  • 書類の形式チェック
  • 要件(人的・物的・財務)を満たしているか
  • 実地確認(必要に応じて事務所の調査が行われる場合あり)
審査中に起こりやすいこと:
  • 書類の「補正依頼」が来る(例:預金残高が基準未満など)
  • 平面図や体制図の修正依頼

Step 5:許可の取得・事業開始

  • 許可が下りると、**「労働者派遣事業許可証」**が交付されます。
  • 許可を受けた日から、労働者の派遣が可能になります。

Step 6:事業開始後の留意点

  • 毎年の報告義務(事業報告書・派遣実績報告など)
  • 許可の更新は3年ごと
  • 契約書類の保存・管理:派遣契約書・雇用契約書などを5年間保存

📝 全体のスケジュール感(目安)

ステージ目安期間
要件確認・講習受講1週間〜1ヶ月
書類作成・準備1〜2週間
申請から許可まで約1〜2ヶ月
許可後の事業準備即日〜1ヶ月以内

まとめ:スムーズに進めるためのコツ

  • 派遣元責任者講習は早めに予約&受講
  • 財務面が弱い場合は資本金増資などで調整
  • 書類提出前に労働局に事前相談するのも有効
  • 書類はチェックリストを使って確実に揃える

はじめての手続きは、不安も多く、分からないことだらけ。でもご安心ください。必要な準備、要件の整理、書類の作成、労働局とのやり取りまで、すべてお任せいただけます。御社のビジネスのスタートを、確かな知識と丁寧な支援で、しっかりサポートいたします。ぜひご相談ください。

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