キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、有期雇用労働者や短時間労働者(パート・アルバイト)、派遣社員などを正社員として雇用する企業に対して支給される助成金です。非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進し、企業の人材確保と定着を支援することを目的としています。
人材不足が課題となる中で、非正規社員のモチベーション向上や定着率の改善は企業の成長に不可欠です。この助成金を活用することで、企業の負担を軽減しながら、優秀な人材を正社員として確保できます。
助成金のメリット
・優秀な人材の確保! 長く働ける環境を整えることで、人材流出を防ぎます。
・ 従業員のモチベーション向上! 正社員登用を目指し、スキルアップへの意欲が高まります。
・ 企業の安定経営に貢献! 非正規雇用の比率を下げ、組織の安定化を図れます。
・ 採用コスト削減! 社内で育成した人材を活かせるため、新たな採用コストを抑えられます。
助成金の主な内容
1. 支給対象
以下のような労働者を、企業が正社員として転換した場合に支給されます。
- 有期雇用労働者(契約社員、パート、アルバイトなど)
- 無期雇用労働者(すでに無期雇用だが、正社員ではない従業員)
- 派遣社員(派遣先企業が直接雇用し、正社員とする場合)
2. 支給額(1人あたり)(2025年4月以降)
転換区分 | 重点支援対象者 | その他対象者 |
---|---|---|
有期 → 正社員 | 80万円(60万円) | 40万円(30万円) |
無期 → 正社員 | 40万円(30万円) | 20万円(15万円) |
※( )は大企業の助成額
<重点支援対象者とは?>
以下のいずれかに該当する有期雇用労働者等:
・雇入れから3年以上経過
・雇入れから3年未満かつ以下2点を満たす
①過去5年で正社員期間が1年以下
②過去1年で正社員雇用されていない
・派遣労働者/母子・父子家庭の親/人材開発訓練修了者
助成金を受けるための要件
① 就業規則等に「正社員転換制度」を規定していること
助成金を申請するためには、事前に「正社員転換制度」を導入し、就業規則に明記する必要があります。
② 転換前に6ヶ月以上継続して雇用していること
助成金の対象となる労働者は、正社員転換前に6ヶ月以上継続して雇用されている必要があります。
③ 転換後、賃金が3%以上増額していること
正社員に転換後、基本給や手当を含めた賃金が転換前より3%以上増額している必要があります。
④ 転換後、6ヶ月以上の継続雇用実績があること
正社員転換後、6ヶ月以上雇用を継続したことを証明する必要があります。
申請の流れ
- キャリアップ計画書の作成・提出
- 正社員転換制度の整備(就業規則への明記)
- 対象となる労働者を正社員へ転換
- 転換後6ヶ月間の継続雇用と賃金3%以上の増額を実施
- 6ヶ月経過後、必要書類を準備し申請(第1期)
- 12か月経過後、必要書類を準備し申請(第2期)
- 審査を経て助成金の支給
申請時の注意点
・事前準備が必須
助成金を申請するには、正社員転換制度を事前に導入し、就業規則に明記しておく必要があります。転換後に規則を変更しても対象にはならないため、事前準備が重要です。
・申請期限に注意
正社員転換後6ヶ月の雇用実績が必要ですが、その後の申請期限(2カ月)も決まっています。期限を過ぎると申請が認められないため、スケジュールをしっかり管理しましょう。
・賃金アップの条件を満たすこと
転換後の賃金が3%以上増えていないと助成金を受け取れません。基本給や手当の見直しをし、基準を満たしているか確認しましょう。
・支給までに時間がかかる場合がある
申請後の審査に時間がかかることがあるため、資金計画に余裕を持つことをおすすめします。
まとめ
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、企業が非正規雇用の労働者を正社員へ転換することで受け取れる制度です。企業の人材確保や従業員のモチベーション向上にもつながるため、積極的に活用を検討する価値があります。
不明点がございましたら、お気軽に弊社までご相談ください。